鍼灸の鍼は体内で折れるのか?

今日15年以上ご利用いただいているクライアントが、珍しく神妙な顔つきでこんな質問をしてこられました。

「先生、鍼って体の中で折れてしまうことってあるんですか?」

なんでも彼は、野球が好きで近々開幕するプロ野球を心待ちにしているという。

そんな中、開幕6戦目に先発が内定していたソフトバンクホークスの松本裕樹投手が、鍼の事故が原因で登板できなくなったということで、それを知って驚いたのだそうです。

実際、彼も私の鍼を長く受け続けているので、不安に感じた部分もあるでしょうし、何より、本当に体内で鍼が折れてしまうものなのかが知りたかったようで、私なりに回答させていただきました。

ズバリ、鍼灸の鍼が体内に埋没してしまう可能性があるかというと

答えは「ある」になります。

しかし、限りなく可能性は低いため、世の鍼灸師が驚いていることでしょう。

現代の日本の鍼灸師が使う鍼は、ほとんどが使い捨てのディスポーザブル鍼です。あってはならないことですが、粗暴な鍼術で折れ曲がることはあっても、完全に離れて体内に埋没してしまうことはまず考えられません。

ただ、流派や先生によっては、金や銀の鍼を滅菌することで繰り返し利用されている方もいらっしゃいます。

ちなみに、鍼を受けている方が途中で心理的な不安に襲われたり、寝ぼけて動いたり、痛みで過剰なスパズム(異常痙攣)が生じるなどして、鍼が抜けにくくなることはあります。

しかしこのようなケースでも、多くの鍼灸師がその対処法を心得ているところではあります。ちなみに、私も過去にこのようなケースは何度も経験していますが、そういった際に長い鍼の場合、驚くほど体内で折れ曲がります。

いずれにしても、私たち鍼灸師に限ったことではありませんが、施術には常に最新の注意が必要であることは言うまでもありません。

ですので、今回のケースは他人事とは言えないのです。

今まで以上に気を引き締めて施術に臨む機会をいただけたことに、教えてくださったTさまに感謝します。

鍼灸業界の先生方はもちろん現在鍼を受けている方、これから受けようと考えておられた方など、今回の件はとても不安に感じられたことと思います。

鍼灸師はきちんと説明するよう努め、鍼の継続や初めて施術をお考えの方は、ご自分が納得するまでかかられる先生に相談してみてくださいね。

双方にとってリスクがないわけではありませんが、

鍼灸がとても素晴らしい医術であることもまた、まぎれもない事実です。

間違った情報が飛び交い不安を仰ぐことがありませんように。

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ABOUT US

石垣 英俊
気づきのプレゼンター。静岡市生まれ。神楽坂住み。 鍼灸師/按摩マッサージ指圧師/カイロプラクター/国際中医専門員/アプライドキネシオロジスト 神楽坂で施術をしながら東洋医学の健康観と背骨メンテナンスをベースとした養生法アラウンドセラピー®を伝えています。趣味はラクに生きる方法を模索すること、美味しく食べることです。