花粉症の養生②~対処法について~

前回は、花粉症の簡単な概要と、東洋医学における花粉症の考え方をご説明してきました。

つらい花粉シーズンが少しでもラクになるヒントを提供できるよう、今回は、「脾」「肺」「腎」の3つの臓に対する具体的な養生法について紹介していきたいと思います。

引用:すべて無料の写真素材 – フリー素材のぱくたそ (pakutaso.com)

脾の養生のポイントは食事とマッサージ

東洋医学の脾は胃腸を中心とした消化器系のはたらきを意味しています。

身体の基本となる「気」と「血」を作るのが主な役割ですが、脾が弱っているとエネルギーが補充されず、つかれやすい・食欲の低下・消化吸収が悪い、といった悪循環が生じてしまいます。

この悪循環を断ち切るためにもまずは根本から脾の養生を考えていく必要があります。

花粉症対策としての脾の養生のポイントは3つ。

  • 食べたくない時は無理に食べない
  • 食べるものを考え、よく噛んで味わう
  • 脾胃を整えるセルフマッサージ

食べたくない時は無理に食べない

脾の働きが低下している人の傾向として、食べたくもないのに無理をして1日3食を食べているケースがみられます。

これは逆効果でしかありません。

かえって胃腸に負担をかけてしまいます。同様に、胃腸のために胃薬や時に漢方薬を長い期間飲み続けているのも私の個人的な見解としてはあまりよくないと考えます。もちろんケースバイケースですし、食べなければいけない状態、薬が必要なタイミングがあると思いますので全てを否定するつもりはありません。信頼できる先生にご相談してみるのもいいのではないでしょうか。

また一方で、普段から食べ過ぎてしまう傾向の方にも脾のはたらきが低下しているケースもみられます。自分の胃袋を過信していると、必ずつけが回ってきますのでご注意を。自戒の念をこめてお伝えします。

つまるところ、本当に食べたくなるのがベストですし、そのような状態を整えていくためにも自分の身体に普段から耳を傾けてあげる習慣を身につけましょう。

食べるものを考え、よく噛んで味わう

東洋医学では、「肥厚甘味(ひこうかんみ)」(味の濃いもの、甘いもの、脂もの、生もの、冷たいもの、加工食品など)を避ける食生活が望ましいと考えます。

とはいえ、甘いものも、味の濃いものも一切食べてはいけないわけではありません。

やはり普段の食生活を見直しながら、改善するところは改善していくことが望まれるでしょう。

ちなみに、体調が崩れている時ほど過食してしまったりすることがあります。このようなことも経験的に学びながら、ほんの少しずつでもいいですからご自分の状態に気づくだけでも身体がととのっていくきっかけになるのではないかと思います。

またよく噛んで味わうことは、唾液を分泌させ消化吸収をうながしエネルギー生成を高めます。

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脾胃を整えるマッサージ

脾と胃は東洋医学ではセットと考えますので、脾胃を整えるマッサージを紹介します。

ただし、胃腸を整えるマッサージやツボはいくつもありますので、ここでは花粉症対策として2つのポイントのマッサージを紹介します。

足の甲にある太衝(ツボ)のマッサージ

足の親指と人差し指の延長にある骨の間の凹んだ部分に肝臓のはたらきと関連があると考えられている太衝(たいしょう)というツボがあります。

実は、このツボを普段から押さえたり、少し押しながらズラすようにマッサージ(いた気持ちいい程度で)してあげることで、消化器系全体のはたらきが改善することが期待できます。

出典:コリと痛みの地図帳(池田書店)

肋骨の下、季肋部のマッサージ

肋骨のすぐ下の部分をはじめは指でなぞるような感じでマッサージしてみましょう。

右か左に少し痛いところがあれば、もっとやさしくゆっくりさするかなぞるように、少し時間をかけてマッサージするのがポイント。慢性的に消化器系に負担がかかっていると、かなり痛みをともなうことがあるので、決して無理をしないようにしてください。

もし余裕があれば下の参考図のように前かがみになって少し深めに圧をかけてみるのもいいでしょう。

出典:コリと痛みの地図帳(池田書店)

肺の養生のポイントは汗

東洋医学の肺は呼吸と密接ですから、呼吸を整えるのも花粉症対の1つになります。

しかし、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状は体内の気を巡らすために発散させなければいけないというシグナルのようなものです。そこで、日ごろから適度な運動をしていくことが大切になるのですが、注意しなければいけないのが汗をかいた後に決して冷やしてはいけないということです。

とくに、くびの後ろから背中の上部にかけては「風邪(ふうじゃ)」が侵入しやすい部位になりますので汗をかくほど運動したら決して冷やさないようにタオルなどで汗を拭き、温めるようにしてください。

また、少し肌寒い日は、積極的にドライヤーで(火傷に注意して30センチ以上離して)温めてあげるのも良策です。

出典:背骨の実学(池田書店)

また、花粉症の目や鼻の症状にはくびの後ろにある「風池(ふうち)」というツボが症状をやわらげる効果に秀でています。「風池」のツボについてはコチラ⇩

頭と顔の熱を冷まし、目と鼻に効くツボ‘風池(ふうち)’

もう一つ大事なこととして、肺を整えるには適度な睡眠が大切です。

「適度な」というのがポイントになりますので、寝すぎもNG

さらに鼻や目、のどの諸症状、歯の痛みの緩和などに有効な合谷(ごうこく)というツボは、肺と密接なところ。つらいその時はもちろん、普段から触れていることで心身の状態を整えていく作用も期待できます。

常用頻度No.1、歯と喉に効くツボ‘合谷(ごうこく)’

腎の養生は下半身の強化とリラックスから

東洋医学において腎はエネルギーをストックしている重要な関所であると考えます。

腎は加齢によって影響を受けやすいところでもありますが、大事なのは日ごろから不摂生や働きすぎを避け、休息の時間をつくることです。

さらに、花粉症対策における腎の養生のポイントは2つあります。

  • 下半身の適度な強化ともも裏のストレッチ
  • 深い呼吸とリラックス

実はこの2つを同時に行うことができるのがこのポーズ。

ヨガのポーズで、ウッターナアサナという身体の背面を強く伸ばすポーズがありますが、その簡易バージョンです。

ただ、このポーズは鼻のつまりが著しい場合や苦しくなるような時は無理せず行わないようにしてください。

ポイントは、肩の力を抜き、頭のてっぺんが床に向き、くびから背中にかけてが伸びて緩んでくるイメージです。同時に、余裕があれば徐々に膝を伸ばしていき、やんわりと太ももを伸ばすことができると尚効果を感じられると思います。

上半身をリラックスさせたり、呼吸を深めたいときは、下半身を鍛えながら同時に柔軟性を少しずつ高めていくことも大切です。

参考までに、腎の状態は腰や下半身にあらわれますし、実はお通じとも関連があります。また、カイロプラクティックのある流派では太ももの裏が腸と関連があると考えます。

花粉症などアレルギーは腸との関連もありますから、このような観点からも上記のエクササイズを取り入れてみるのもおすすめです。

まとめ

さて、2回にわたって花粉症の養生について、東洋医学をベースに紹介させていただきました。

今回はあえて、よくある鼻や目の症状に対する局所的なツボは対処法に含めませんでした。その理由としては、やはり花粉症は体質を整えることを第一に考えることが大事だと思うからです。もちろん、症状の緩和という意味では、ご紹介した「風池」や「合谷」が実によく効きます。ぜひためしてみてくださいね。

また、繰り返すようですが、花粉症は東洋医学においても、まずは外邪の1つである「風邪(ふうじゃ)」を避けることが大切です。

そのうえで、体質というものを知り整えていくことが花粉症の症状を軽減させるポイントです。

さらに、睡眠不足や不摂生はないか?最近働きすぎていないか?といったことにも意識を向けながら、花粉症のシーズンを乗り越えていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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ABOUT US

石垣 英俊
気づきのプレゼンター。静岡市生まれ。神楽坂住み。 鍼灸師/按摩マッサージ指圧師/カイロプラクター/国際中医専門員/アプライドキネシオロジスト 神楽坂で施術をしながら東洋医学の健康観と背骨メンテナンスをベースとした養生法アラウンドセラピー®を伝えています。趣味はラクに生きる方法を模索すること、美味しく食べることです。